自分で考える力
今週は、あまりお出かけしなかったので・・・ちょっと語ってみようかな。
かなりの長文になりますが、お時間がありましたら読んでみていただけませんか?

いろんな人と話す中で、同じように犬を愛し、楽しく暮らしていそうなのに
「あれ?なにか違う・・・」と違和感を持つ事もあります。
すぐ横にいるのに、隣のレールを走っている電車のように
けして合流できないような、不安な感じ。
それがなんなのか・・・ヒットくんと私は、よく犬の話で意見をしあうのですが
話しているうちになんとなく、自分が何に引っかかっていたのか、分かってきたりするのです。



ウチは、今とても楽しくやまあすと暮らしていて、出かけた先で
やまあすが「よくしつけされてますね」といわれる事もあります。
嬉しく思いつつ「そんなにキツキツに訓練した訳じゃないのにな」なんて思ったりします。
やまあすがそういう風に育ってくれたのは、なんでだろう?

やまあすが、いろんな場所で落ち着いていられる事が多いのは
「自分(犬自身)で考える力」がついてきたからだと思うんです。

たとえば・・・状況にもよりますが、やまあすはカフェで落ちついてオスワリやフセをして
いられることも多いです。それは、私たちが指示したからではなく、
彼ら自身が「ああ、これね」と理解して、自主的に「待ち」に入ってくれるから。
(または、一緒にのんびりし始めるから)指示を出して従わせている訳ではありません。
たくさん経験を積んだから、いろんな状況にあわせて「自分で考えて」判断できるように
なってきたのだと思います。

そうして自分で考える力がつくと、カフェでの経験を他の似たようなシチュエーションで応用して
「待ち」に入ってくれたりする事があるんです。
いちいち指示を出す必要がなく、とても楽になります。
たまには犬たちも判断ミスをして「おいおい!」ってことあるけど
それもまた、経験のひとつ。その都度「だめ!」と教えてゆけばよいのでしょう。

この「犬自身が、自分で考える力」は、すごく大切だと思います。
犬育てですべき事の一番は、子犬時代から社会性を育て、
あらゆる犬・人・物に慣らし、社会化すること。
次にはこの「自分で考える力」を育てる事じゃないかと思います。



「自分で考える力」・・・人間にも必要ですよね。
いろんな情報が流れている現在、私が書いている文章もそのひとつですが。
本として出版されている事や、プロのトレーナーが言っている事が
必ず正しいとは限らないのです。
本の内容をちゃんと理解しつつ、それを鵜呑みにせず「それは、本当なんだろうか」と
自分で考えることは大切だと思います。
本に書いてあった通りにやっても出来ない時。
まずは、自分のやり方が本の通りに出来ていたのか考えますが
ちゃんとやっててもダメな時「だからウチの犬はダメ」ってなるのは違う。
本がマチガイとまでは言わなくとも、他の犬には有効かもしれないけど、
ウチの犬には通じないやり方だったということ。
目の前にいる犬たちを信じて、彼らの反応を読み解いて「おかしいぞ?」と思う事。
そこから次のとるべき道が見えてくるんじゃないでしょうか。
マニュアルをそのまま実行するだけではなく、自分で考えて情報を活用していく事が
必要だと思うのです。

それぞれの家庭、性格によって、いくつものスタイルがあって当然だと思います。
いろんなやり方がある中で、一般に犬の本などで目指しているのは、
人の指示に従わせる事によって、全ての事を解決しようとするスタイルだと思います。

カフェで、足元でフセ・マテの指示を出し、解除の命令があるまでキープする。
散歩中、他の犬とすれ違う時はツケをキープして歩くか、オスワリ・マテでやり過ごす。
ドックランで、追いかけっこや取っ組み合いが始まりそうになったら、オイデで呼び戻す。
こういったことを完璧に、いつ何時でもできるようにすることにより
犬との主従関係を作り、他人に迷惑をかけない行動にしていく。

こういうスタイルでも、犬自身が、飼い主の指示に従う事を喜びとし、
誇りを持って生き生きと指示に従っているのであれば、よい関係が築けるのだと思います。
それもひとつのやり方。人と犬が笑顔で暮らしているのなら、すばらしい事ですね。
でもこのスタイルは、犬の性格によって向き不向きがあるし
あらゆる場面で、常に適切な指示を出さなくてはいけないのだから、人間のほうにも
自覚というか、技術というか、そういうものが必要なんじゃないかと思います。
多くの人が、こういうスタイルを目指しつつ、挫折し
「ウチの犬は、ダメ犬だ。こいつはダメだから、無理なんだ。」とあきらめているように思います。

ことに、バセンジーのような、自己主張が強く、指示を仰ぐよりは
自分で考えて行動したいタイプの犬たちには、このスタイルは窮屈でしょう。
彼らにとって、自分の好奇心ややりたい事を押さえ、いつ何時でも
飼い主の指示に従うという事は、かなりの高難度。
好奇心をそそるいろんなことよりも、ずっとずっと魅力的な飼い主になればいいのだろうけど
それは、飼い主にとって、かなりの高難度・・・。

うまくいかないのに、あまりにもかたくなに、このスタイルを目指せば、
犬たちの目から輝きがなくなってしまうほど厳しく強制することになりかねません。
でも、そんな曇った目をした従者が欲しくて、犬と暮らしてるわけじゃないんです。


そうではなくて、犬自身が状況を考えて、それにあわせた行動が出来るように
心を育ててゆくやり方もあると思います。
人と犬との関係は「主従関係」ではなく『親子関係』と考えた方がよいと思います。

「主従関係」と考えてしまうと、「従」が自分で考えて行動するなんて言語道断に
なってしまいますから。親子なら・・・親は常に子が正しい道を歩むように導くけど
子が育ってきたら、子が自分でいろいろ判断して行動できるようになるでしょ。
道を踏み外さない判断力を育てる事も大切ですよね。
オスワリ・マテなどの基本訓練は、それ自体も便利に使える指示語ですが
目的は絆作りだと思うのです。

やっている事は、同じようにオスワリの指示を出したり、ダメな事をしかったりしているのでも、
目的が違うとやり方も少し違ってくるんじゃないかな。
指示によって、常に犬の行動を支配しようとするのと
「こうして」「OK!」というやり取りの中で、絆を強くしようとするのと・・・。

・・・ん・・・かなり分かりにくいかなぁ・・・・


じゃ、自分で考える力をつけるには、どうしたらいいのか。
「これをしたら、こうなります」みたいな、単純な作業じゃないと思うんです。
即効性もなくって時間もかかる・・・。

それに、ウチとしては落ちつかせようとか、自分で考える力を育てようとか
考えてやってきた事ではなく、子犬のうちに、何しろ社会化しなくては!と
いろんな経験をさせてきた中で、そういう風に育ってきたという感じなのです。

社会化、子犬時代に一番大切にしてきたこと。
それには、なるべく小さい頃から、たくさんの様々な経験をさせることでした。

いろんな所に連れ出して慣らす。
いろんな人にあわせたり、いろんな犬と挨拶させたり、遊ばせたり。
やまとの、あすかの、それぞれの性格にあわせて、苦手な部分は
成長の段階にあわせて少しづつ、意識してたくさん経験させたりして。

そうして経験していく中で、イイコにしている時にちゃんと
「いい子だね、それでいいんだよ」と認めてあげること。
ダメな時には「ダメ!」としっかりその場で教える事。
同じ行動でも「こういうときはOKだけど、こういうときはダメ」とかいうのも
あきらめずに繰り返し伝える事。
繰り返し繰り返し、その都度教えていく中で、いろんなパターンを覚え
自分で状況を判断できるようになってきたんだと思います。

ただ指示に従わせるという、分かりやすい行動ではないから
伝えたい内容はもっと複雑です。
気持ちを通わせるために、犬が何でそうしたがるのかを良く考えて、
まずはその気持ちを「わかったよ」と受け止めてあげる必要があったり。
自分の犬が出来ていないときでも、それはダメ犬だからじゃない、
何か言い分があるんだって思い、彼らのことをと信じてあげないとだめだったり。
一生懸命、犬に「ねぇ、なんで?」と問いかけて、一緒に悩む事になったり。
そしてそれは、今でも続いている事なんです。

手間はかかるけど、そういう中で通じ合った時の嬉しさといったら格別。
お互いの言いたい事も、だんだん分かり合えるようになってくるし
それが私にとっては、犬と暮らす楽しさ、だと思うのです。

犬は私たちの気持ちの変化に、すごく敏感です。
特にやまとは、自己主張が強いから、その反応が分かりやすく現れます。
やまとの気持ちを受け止めた上で「それは分かるけど、でもダメ!」とした時と
気持ちが理解できずに、やみくもに「だめ!!」とした時では、反応が違います。
私にゆとりがなく、彼の言葉にまったく耳を貸さないときもストライキを起こします。

だから、まずは自分の大切な犬たちを、心から愛して、信頼して欲しい。
何か問題が起こったとき、真正面から向かい合って、
どうしてなんだと犬に問いかけ、考えて欲しい。
そういう心があるならば、どんな作戦を試してみても良いのだと思うのです。
実行している作戦が一緒でも、この、基本的な姿勢があるかないかで
犬たちの反応が違ってくると思うのです。
そういう付き合いをしていると、犬との絆はどんどん強くなって
犬たちが、私たちの人間の言葉に、よりいっそう耳を傾けてくれるようになると思います。

そういう付き合いの中で、犬たちの心は育ち
いろんな状況を理解して行動できるようになるんだと思います。
やまともあすかも、まだまだ成長途中。
年齢に応じて、様々な変化を見せてくれるだろうと思います。
そのたびに、ちゃんと彼らに向き合っていたいと思っているのです。
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[2010/05/30 22:26 ] | 思うこと・・・つれづれ | コメント(0)
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